@min_kotoni で、たまに小咄をつぶやいています。
幻世
「山の上は冷えるな」アリババは盗賊だから防寒より身軽さを優先する。「マント半分使いますか」「ん」アリババは遠慮なくペトゥムのマントにもぐり込む。裏が毛皮になっていて温かい。「場所によっては暑くないのかこれ」「状況に応じて使い分けますよ。あとマントでハナ拭かないでください」
魔導
冬の日没は早い。ウィッチはかじかむ手で玄関の戸を開け、体をなかに滑り込ませた。手をこすりながらまっすぐストーブへ向かい、火を入れて、呪文でお湯を沸かす。茶葉と湯をカップに入れ、味が出るのも待ちきれず口を付けた。やや熱すぎるが構わず飲む。熱がじわじわと広がるのを感じ、涙が出た。
冬は材料の採集に不向きだし客も少ない。しかし冬にだけ採集可能な葉や実があり、種類は少ないが重要な材料なので無視もできず、冬季休業というわけにはいかなかった。
ストーブの周囲がようやく暖まってくると、今度はゆっくりと茶を味わった。
ジオコン3か4
材料が手に入ったので珍しく菓子作りなどに励んでみたのだが、手際が悪く完成が夜になってしまった。窓の外には満ち満ちた月。「お月見しよう!」
ひとりの月見は味気ないので見張り番に差し入れることにした。
今日の見張り当番はリビウスだった。
「リビウスお疲れさま。これ作ってみたんだけど、よかったら食べない?」
ハヅキは菓子をすすめた。しかし、リビウスの眉間の皺は菓子を見るほどに深くなっていった。
「カビてないか?」
ハヅキは驚いて菓子を見たが、完成したばかりで傷んだ様子はない。やがてリビウスの心配の意味に気づいた。
緑色の豆の粉をまぶしてあることを説明する。
「うぐいす餅って言うんだよ」
リビウスは餅をひとつつまみ、数秒見つめてから意を決した表情で口に入れた。ハヅキは(そんなに警戒しなくてもいいのに)と思い、少し傷ついた。
リビウスはゆっくりと咬んでいたが、まじめに感想をのべ始めた。
「パンナコッタ?いや…ガム?」
「ガムじゃなくてお餅だよ。お米から作っているから飲み込んで大丈夫だよ。どうかな?」
「面白い。嫌いじゃない」
という彼の顔はちっとも面白そうではないのだが、嬉しいとか楽しいなど陽の表情が出にくいことを知っているハヅキは落ち込まない。
「飲み物が欲しくなるな」
「お茶を入れてきたよ」
「グリーンティーは遠慮したい…コーヒーがいい」
ハヅキは緑茶が好きなのだが傭兵団のなかでは不人気だった。
「ちぇ。じゃあコーヒーを入れてくるね」
餅が受け入れられたのが嬉しいハヅキの足取りは楽しげであった。
たぬキッズ
「ウチの親、また狐に捕まったらしいぜ」「またかよー学習しねえな」「狐と狸の化かし合いとかいうけど、これじゃ狸が弱いみたいで恥ずかしいよな」「今回は放っておいて、自力で脱出してもらわね?じゃないとアイツ学習しないし」『スイマセン助けてください…(´・ω・`)』「チッ仕方ねえな」
Aチーム
少しだけお湯を注ぐと、ふわりと香る。転校でこのコーヒーが飲めなくなることを心配したが、引越先にもこの豆を扱う店があったので、お気に入りの時間を失わずに済んだ。飲むのも煎れるのも雪乃の毎日の楽しみだ。豆が蒸れると、今度はアクが入らないように注意してお湯を注いでいく。
魔導
魔女の肉体も年を重ねれば、人間と同じように老化し醜くなろうとする。魔女は美しいから魔女なのであり、美しさを失えばそれは魔女ではないーーそう言い聞かせながら、私に化粧を施す祖母の手は温かかった。しかしその教えは、日の光の届かない水底へゆっくり沈められるような寒さを感じさせた。
ジオコン2
姉は自由奔放で派手好きだ。私には理解できない言動に走る。そんな姉をたしなめるのは私の役回りだけど、今のところ効果はみられない。なにより理解できないのはその彼氏が姉と逆で、真面目で地味なこと。姉曰わく「傭兵仲間で付き合うなら彼しかないでしょ」と当然のように言う。わからない。
あっぷるそーすアングラー
何の幸運か、彼女をランチに誘うことに成功した。おすすめメニューは気に入ってくれたようで心底ほっとした。店の選択は失敗じゃなかったみたいだ。すべてうまく行ってる、きっと今だ。「日曜に釣りに行くんだけど、良かったらこない?」「この辺りからは海は随分遠いけど…」「いや山なんだ」「山?」
ADF
「シシス様、食事の時くらいはパソコンから目を離してください…」新しいもの好きなこの国王は、最近手に入れたパソコンに隙あらばかじりついている。「ブログというやつは面白いぞ。うまくやれば金も稼げる。これからは傭兵業とブログの二本立てだな」「新しすぎて民がついていけません」
Kマン
私は、彼との通信状態を示す緑の光を覚えている。ランプが緑に点灯しているのは彼の無事を示し、私は緑色を保つために尽力した。緑色は私に緊張と希望を同時に与えた。その光を私は忘れはしないだろう。しかし思い出す機会はない。
『「寒ければこっちへ来い」』 萌えと勢いだけで書くってこういうこと。
「min_kotoniは『夕方』と『湯』、登場人物が『泣く』というお題でツイノベを書いてみて下さい。」 たまには魔導。
お題なし 「満月、緑、支え」の時に思いついたのですが、支え要素を組み込めずお題としてはボツに。
『しょぼーん』 しょぼーん(´・ω・`)
お題なし おいしいコーヒー飲みたいなあと思って。
『ドーピング』『ぬくもり』『老婆』 ウィッシュとウィッチ。
『分かんねえな』 ひえさんのつぶやきからネタ拝借しました。
お題なし。 幻のあれを釣らないとけっこうなバッドエンドになります。難易度高いわあ。
『国』『サイト』『ご飯』 シシス様は新製品好きのミーハーっぽいので、あの世界にパソコンやインターネットが登場したら飛びついてうまく使いこなすと思う。
『通信』『記憶』『ランプ』 3つの単語をより絡ませる試み。
2012.01.30 みん コトニエイ