ついのべ002

@min_kotoni で、たまに小咄をつぶやいています。

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ADF

本日の朝食は、焼いた餅にベーコンと目玉焼きが載っている。エスクは、餅は年始を祝う食べ物と理解していたのだが、「正月しかお餅を食べないわけでもないです」とカシスが答える。「目玉焼きにはパンだろう」「お餅もあいますよ」エスクがクォーダの食文化に慣れるまで時間がかかりそうである。

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DF3

オネストは神殿の周囲の落ち葉を掃いていた。神殿の正面を掃き終え、横の広場にとりかかる頃、レニスは現れた。広場には彼の妹の墓がある。レニスは何か供える日もあるが、今日は墓の前で俯いているだけだった。

レニスは泣いたことがあるのだろうか。辛そうな顔はみたことがある、けれどそれは無理して笑顔を作っているときだけだ。

レニスの足下の葉に滴が落ちて、葉脈を浮かび上がらせた。はっとしてレニスを見るが、レニスの肩に小さな水のしみができたのを認め、雨が降り始めたのを知る。

「雨が降ってきたね。家に帰るよ」レニスが顔をあげて言った。そこにはいつもの微笑が浮かんでいた。「僕も中に入るよ。また明日、レニス」

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ジオコン3

コウモリのツメに裂かれたジュランの足を、セイニーは手当てする。セイニーは格闘家だから、筋肉がついている。ジュランの手足はそれほど筋肉質でないのに柔らかそうではなくて、骨ばって筋っぽい。「まじまじと見るほど重傷でしたか」「えっそんなことないよ大丈夫!」

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ルードブレイカー

ディスプレイが壁一面に広がるその部屋は、コックピットとは思えぬほど大きかった。戦闘機としてはかなり大型の部類で、圧倒的な速度と攻撃力を誇る。これの全体像を見れば武装が更に大きく見せていることがわかる。十蔵はこれを居住地と決め、政府の軍用機をタラップから切り離した。

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DF3

カートライトは異例の若さで騎士団長に就いたが、それは実力で駆け上がった地位というより、順番が予定より早くまわりすぎたといったほうが適切だった。

ここ最近のこと、騎士団長は何度も変わったが、殆どはアースギルフとの戦による負傷か死亡による交代である。彼の前任者もまた戦死により退任した。

カートライトが騎士団長を務めているこの状況こそ、敗戦が近づいていることを示す明瞭な指標である。もちろん彼自身もそれを理解していた。それで気概を失うような人間ではないが。

今まさに、敵軍は城の門まで到達している。城門を開いてアースギルフ軍を迎えるときがすぐそこまで迫っていると知りつつも、使命はそれをはねのけること以外にない。

彼は表情を隠すように兜を下げた。

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DF3

キャムウェイが手紙を持って駆け寄ってくる。キャムウェイとリカルドに宛てられたそれを、顔を寄せ合って読む。ブレッドとチェリオの結婚を伝えるものだった。「傭兵やってると、結婚なんて考えにくいよね」「…そうだな」いつもと違う空気が流れていることに、キャムウェイだけが気づかない。

後書き

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『ご飯』『白鳥』『目玉焼き』

私はどうもクォーダの食文化を誤解している気がする。でも少なくとも納豆と甘栗はある国なんだよね。 「はくちょうもち」ってもち米の品種ありますよね。ご飯と白鳥をひっかけまして(言わないとわからんよ)

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『紅葉』『涙腺』『模様』

レニスはいつも穏やかな笑みをたたえ、泣かない人。

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『かさぶた』『男』『手足』

不完全燃焼。

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『留守』『グラス』『液晶』

十蔵がハルバードをパクった瞬間。モニタ使用のコックピットのことをグラスコックピットというらしいよ。

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お題なし。

敗戦色濃厚な国の騎士団長でした。王都戦の直前のイメージ。なんか凄い苦労人にしちゃった。つかカートライトって騎士団長でいいんだっけ。PCないのは辛い。

20

『書簡』『好き』『難易度』

ベタに。

2012.01.10 みん コトニエイ