ストローメア
…Geo2で傭兵として参加。女エルフ。勝気で派手な、雷系の魔法使い。

ホロウィー
…Geo2で以下同文。男性。気弱で内向的な、風系の魔法使い。





導-shirube-





「随分平和になったもんだね…ねぇストローメア」
 黒王は封印された。100年以上は安心して暮らせるだろう。
 そして戦争は終わった。
「そうね。魔物も残っているけど『残り香』程度のものだし」
「いいじゃねぇか。金はそれなりに稼げたし」
「でもなんだか平和ボケするわ」
「あんたは実戦が好きだねぇ」
 今はその『残り香』退治から帰ってきたところだ。
「魔法使いは戦争があってこそ、だもの。コレじゃ商売上がったりだわ」
 願わずともその望みは現実となる。






「あーっもう!!暇暇、暇ったら暇!!どっか連れて行きなさいよホロウィー!」
「無茶いわないでよ…」
 解団式と名づけられた簡素な式は終わった。
 エレノーラやアッシュは次の雇い主を探して去ってゆき、ベクターは実家へ帰り、哥鞍はいつのまにか消えた。
「ストローメアだって里帰りするなりなんなりすればいいじゃないか」
「だってエルフの里ってつまらないもの。
 世の中にあんなつまらないところがあっていいの、って思うわよ!風習がどうの掟がどうの今度の祭りがどうのって、やってらんないわ」
「いいじゃないか」
「どこが!」
「僕のところにはそんなものないから、ちょっとうらやましいよ。
 色々なところから移住してきた人の集まりだから風習とかはないんだ」
「ふーん…。私はホロウィーこそうらやましいけど、ね」
 平和が戻った。頑丈な封印が施され、ホロウィー等が生きている間は確実に安全。
 (私が生きている間、となるとどうかしらね)
 万が一にも解けることのないように掛けられたといっても、時が経てば当然弱まってくる。封印しなおすか補強するかしなければならない。
 エルフは長寿であり魔力も強い。数々のエルフが歴史に残る。
 (2度も封印に携わる…なんてこともありえるわね)
「なんにせよ、新しい仕事みつけなきゃね。エストロミアからは出ましょう。仕事もないし」
「出ましょうって…2人でいくつもりかい?」
「そうよ。まさか一人で城壁の外に出るつもり?」
 城壁の外は野生のケモノと野党の領域。迂闊に城壁を越えれば食い殺されてしまう。
「それこそ『まさか』だよ。でも……魔術師二人って心なし不安…だな」
「そ、そうね…」
 『魔法』といえど万能ではない。盗賊の素早さも、僧侶の治癒能力もない。もちろん武器は慰め程度しか使えないので接近戦になってしまえばかなり不利になる。
「で、でも私は雷であんた風だし…属性違えばなんとかなるんじゃないかしら」
「うーん…国外に出なきゃ仕事もなくて困るのは確かなんだけど、ひとついいかい?」
「なによ」
「せめてその格好、人目につくから着替えたほうがいいと思う」
「……」






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(05.01.05)

ラストシーンだけ妙にガッチリ完成してるのですが。
たどりつけると良いな…(遠い目)

2のキャラばかりしか出てきませんが、題材は3から持ってきてます。